- FX自動売買入門 >ニコラス・ダーバス 自動売買物語 >投資詐欺 ネギを背負った投資家 第4話
投資詐欺 ネギを背負った投資家
投資詐欺にはいくつかの共通パターンがあります。投資家を騙す毒牙ですが、実は自分から騙されにいってしまうケースも多いのです。「ネギを背負ったカモ」のような状況です。当時のダーバスは、正にそれだったのです。
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「また下がった」
ダーバスの買った株は買っても買ってもどんどん下がっていった。当時のダーバスには訳が分からない。その仕組みもわかるはずがない。
「無料ではなく、お金を出して買った情報」
それなのに、下がっていく。たまに、上がる株もあった。なぜなのかは、当時のダーバスにはわからなかった。
投資詐欺の手口
実は、損をする仕組みは必然だった。投資情報には、いくつかのレベルがある。
- Aランク情報:運用資産数億ドル規模の大資産家などに配る初期情報
- Bランク情報:Aランク投資家に買わせた後に買わせる投資家層に配る情報
- Cランク情報:ある程度の資産家達が買って株価が上昇した後、売り抜けさせるために買わせるための情報
ダーバスが買っていた情報は、Cランク情報であった。勿論、BやAの情報を買えるようなレベルではなく、その存在さえも知らなかったのだ。勿論、ブローカーは表向きCランクの顧客を雑な扱いはしない。丁寧に顧客の気持ちを熱くさせる褒め言葉をどんどん注いでいくのだ。
ダーバスも、良い気持ちになって損を重ねていった。
当時の彼は、自分が「ネギを背負ったカモ」である事には全く気づかなかった。
資産半減で冷静になる
半年後、ニューヨークに戻った頃には1万1千ドルの運用資産は半分近くの5800ドルまで減っていた。ダーバスは、ここで冷静になった。いや、ならざるを得なかった。最初の株で儲かったお金がどんどん減っていくのだ。このままではいけない事に気づかざるを得なかった。ダーバスは、考えに考えた上で一つの結論を出す。
ダーバス:そうか! 情報は情報の中心の方が精度が高いはずだ!このニューヨークは世界の株式投資の中心といっても良い。ここで、精度の高い情報を集めよう!
ダーバスは、友人を通じて一人の株の投資顧問業者を紹介される。
彼の名は、ルー・ケラー・・
果たして、ルー・ケラーはダーバスに幸運をもたらしてくれるのか。
投資詐欺 悪質な情報屋は有料業者に多い
「ハメラレタ」
「騙された」
こういう言葉は投資の世界では昔からよく聞きます。私自身、証券マンだった時代にも先輩や顧客からこの手の「どうハメラレタのか」などの手口をよく聞きました。いくつかの特徴があります。
- ある程度有料(中にはかなり高額)でお金を出させることで信用させる
- 次から次へと新しい銘柄や新しい手法を紹介して麻痺させていく
- 最初は軽く儲けさせる。その後でガッポリと負けさせる
- 金融業者絡めて、損がかさんだら高利のお金を借りさせる
などなどいくつか共通点があります。この手の業者の書くレポートは、一般投資家にはそれなりに見えるものです。そして・・・有料で発行する。人間は、お金を出すものは価値があると思い込んでいます。その習性を利用します。そのため、ダーバスのような被害者はいつの時代でも産まれてきます。
「情報に頼らず実力で儲けよう!」
そう決心するだけで良いのですが、なかなかそうはいかないもののようです。ここは、人間の弱さでもありますね。