FXの失敗を失敗で終わらせる それが本当の失敗だ 第8話

ファンダメンタル分析では駄目

FXに限らず何事も成功できるようになるまでは、失敗の連続です。FXで最初から最後までずっと大儲けという人はいません。FXで儲けられるようになるために一番大事な事の一つは、「失敗経験から何を学ぶか」です、ロクに反省もしないでFXを続けていく方は、失敗を続けていくだけなのです。ダーバスが失敗から何を学ぶのか、それを皆さん自身に置き換えて考えてみて下さい。

ダーバスが失敗より学んだ事

ダーバスは、この間起きた絶望的な出来事を振り返っていた。

「ジョーンズ・アンド・ダブリンで大損」

彼は、ラスベガスの土地を手放さなければいけないと覚悟した。しかし、幸いにもそれは逃れた。その直後に買ったテキサス・ガルフ・プロデューシング株が上がり大損の半分を穴埋めしてくれたのだ。

・・助かった。

しかし、あの株はなぜ上がったのだろう。僕は、上がり続けている株に飛びつき買いをしたんだ。

「いつもの僕だったらあの株は絶対買わない。」

でも、あの株は上がった。そして、僕の窮地を救ってくれた。あの株の利益のお陰で僕はラスベガスの土地を手放さないで済んだんだ。

ダーバス:上げている株を買うと儲かるのか?

ダーバスは、今までの投資を振り返りながら考えていた。

  • 最初に儲けたのは只の運だった。
  • 情報集めて投資したのは失敗だった。
  • 株のファンダメンタル中心で投資したのもどうも駄目だった。
  • テキサス・ガルフ・プロデューシングも只の運だったのか?

試してみよう

ダーバスは、テキサス・ガルフ・プロデューシングとよく似た状況の株を探した。そして、買ってみた。上げている株を同じように買ってみたのだ。結果は・・・利益だった。それも、大幅な利益だ。

ダーバス:おお、うれしいぞ。・・でも、なぜなんだ。

彼の中に、何かが生まれようとしていた。それは、相場の世界における発明といっても良いものであった。後に多くの信奉者を生み出す「ボックス理論」の原型が出来ようとしていたのだ。

解説:FXの失敗を失敗で終わらせる それが本当の失敗だ

ダーバスは、最初に大成功したもののその後の失敗でかなり苦しみました。この苦しみは、文章にすれば5回程度で1週間で書いてしまえます。でも、現実のダーバスは数年間苦しみ続けていたのです。こういう思いを過去に経験した事があったり、今経験している読者もいると思います。投資家の多くが通る道とはいえ、この段階は非常に苦しいものです。

でも、「逃げたらおしまい」です。

苦しみから逃げるために、何か高価な投資商品を買ったり、安易な宣伝文句に誘われてフラフラしてしまえば、それは更なる悲劇を生み出す元になってしまいます。多くの相場師達が、その結末を身をもって教えてくれます。私達が同じ行動をする必要はないのです。現実から逃げてしまう行為、それは「失敗を失敗で終わらせる行為」にすぎません。

ダーバスは逃げませんでした。

  • 損をしても損をしても、逃げませんでした。
  • 騙されても騙されても、逃げませんでした。
  • 利用されても利用されても、逃げませんでした。

失敗を失敗で終わらせない工夫も続けています。情報が駄目だとわかればファンダメンタル分析に移り、ファンダメンタル分析だけでは駄目だと気づきだしたら次の光を見つけ出す。失敗を失敗に終わらせない継続した努力、それが成功の芽を紡ぎだす奥義なのです。ダーバスの場合、それが「ボックス理論の発明」へと繋がっていきます。

現代では、自動売買などで当たり前のようにボックス理論を応用した考え方が使われていますが、50年以上まえは革新的な発明だったのです。それがどう革新的なのか。次回以降、その全貌が徐々に出てきます。

今回のまとめ

「ダーバスに学ぶ」

ダーバスが、大損や失敗を重ねながらも成功できたのはなぜか。その過程は、そのまま私達投資家の誰もが通るかもしれない道です。しっかりと彼に学んでおく事で同じ悲劇を繰り返さないようにしましょう。

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